2020年は、激動の・・いえ、動けないことの多いコロナ禍に於いては、
激静(こんな言葉はないが)の年だった気がする。
だが、私にとっては実はラッキーな事が続いていた。それは数種の仕事をしてきた私の強みだったんだ、と改めて気づくことになる。
書道教室も中止。歌の教室も中止。
イベントもなければ、司会の仕事も全て中止になった。
ところが、動かなければ
じっと静かに制作活動に集中できる。
注文を受けて待たせていたお客様に
早く納品できるよう、
毎日、一閑張りの籠を制作した。
そのまま、私は人と会わず、何処にも出かけず
只管アトリエに引き篭もると思っていた。
そんな時間も好きだった事を思い出させてくれて、
コロナで自粛自粛の世の中を受け入れるのは
どこの誰よりも早かったと思っている。
ところが、そんな想いとは真逆に
秋に文化庁の「文化芸術活動の継続支援事業」によって
個展を開催することになった。
コロナが収束した先に、これまで通りに、
また、それ以上に活動できるような事業を計画し、
それを実行することになった。
それが自然の成り行きだったので
それはそれで迷わず流れに乗った。
背中を押してもらいながら、長年の夢だった「本の出版」が叶ったのだ。
当初は、書の作品集を、と考えていたが、このブログを2005年から書いて来たことと、その文章をうまく組み合わせてみよう、と思いついた。
各ページには、QRコードを掲載し
このblogのリンクに飛べるようにした。
これが出来上がった、
書エッセイ「文字屋の落書き帳」だ。
今回は販売する事は出来ないが、ずっと逢えていない友人や
お世話になった人たちに
贈るつもりだ。親戚にも送ろう。
あの人にも。この人にも。
両親が既に他界して
見せてあげられなかったのが
とても残念だか、
最後の「あとがき」のページには
父と母の想い出を綴った。
それが、感謝の気持ちと
供養の気持ち。